栃木県矢板市は県内の自治体では初めて、市内の全小中学校の児童生徒全員に1台ずつ学習用タブレット端末を配備し、授業での活用を開始した。県内では全児童生徒へのタブレット配備を検討する動きが広がっているが、同市が先駆けたかたち。ICT(情報通信技術)教育推進に期待がかかる。 同市は、高速通信ネットワークと児童生徒1人1台の学習用端末を整備する国の「GIGAスクール構想」を活用し、タブレット配備とともに学校のネット環境を整備した。平成30年度には、先行する形で全小中学校の教員に1人1台タブレットを導入、準備を進めてきた。 児童生徒に配られたタブレットは計2103台。学校でのデジタル教材を利用した学習、ネットでの情報収集、家庭での自習に活用する。事業費は国の補助を含め約3億円。 9月に運用が始まり、児童生徒はデジタル教材の問題に取り組むなどしている。市立東小学校6年の女子児童(11)は「タブレットで紙と同じようなことができてびっくり。文字を書くのが少し難しかったが楽しかった」と話した。 同市では秋休みを利用して児童生徒にタブレットを持ち帰ってもらい、家庭での接続を確認する。家庭にネットの接続環境がない場合にはルーターを貸し出し、通信費は市が負担する。 また新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休校となった場合は、タブレットを使いオンラインで授業を受けられる環境も整備する方針。斎藤淳一郎市長は「小中学生という若い世代がオンラインでチャレンジできる環境ができてよかった。今後町内のデジタル環境の整備も積極的に取り組みたい」と話している。(伊沢利幸)
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